ある日、突然家賃保証会社から連絡が来て更新料を請求された。しかも賃貸借契約の更新ではなく、保証契約の更新料だと言われた。
そんな経験をしたことがある方も多いはず。
なぜ突然家賃保証会社から連絡が来たのか?そんなものは聞いていない。支払わずにおいたらどうなるのか?部屋には住みたいけど保証会社との契約だけは解除できないのか?
そんな疑問にお答えします。
家賃保証会社の更新料とは
部屋を借りるとき、つまり賃貸借契約を結ぶときには最近では家賃保証会社との契約が必須ということも多くなりました。
家賃保証会社利用割合(%)
・首都圏、関西圏では100%に。機関保証への加入必須割合(%)
・全エリアで大幅に上昇し、全国で8割を超えた。考察
・民法改正の施行を見据え、家賃保証会社の利用が増えてきている。
日本賃貸住宅管理協会(通称、日管協)の調査結果ですから、大都市はほぼ家賃保証会社を利用することが普通ということのようです。
この家賃保証会社は、家賃滞納時には家賃を一時立替払いしてくれるという点で入居者を保証するので賃貸借契約がスムーズに進みます。家主は家賃滞納のリスクがなくなりますので今では契約することが普通です。
しかし、その家賃保証会社と契約する際には契約締結時に保証料がかかり、住んでいると1年に1度更新保証料がかかるのが一般的です。
家賃保証会社によって料金は違いますが、だいたいの金額は次の通りです。
- 初回保証料:家賃の30%~100%
- 更新保証料:1万円~家賃の100%
注目すべきはその支払いサイクル。
一般的に賃貸借契約の更新サイクルは2年に1度ですが、家賃保証会社との契約(保証契約)の更新サイクルは1年に1度です。
実は保証契約には書いてある更新料
実は家賃保証会社との契約にかかる料金は保証契約にちゃんと書いてあります。
しかし、契約書の条文をすべて読むという人はいません。それが普通です。
だから部屋を借りるときには不動産会社(仲介会社)が賃貸借契約についていろいろと説明してくれるはずです。
やや専門的な言い方ですが、賃貸借契約を結ぶ際の不動産会社からの説明を重要事項説明(通称、重説)といいます。名前の通り、契約の中の重要なことを説明してくれるのです。
これは親切でやっているわけではなく、法律で部屋を借りる際には重要事項説明をしなければならないと決まっているからです。
だから入居者は賃貸借契約のことは結構知っています。部屋の更新は2年に1度かかるということを知らない人はあまりいません。
なぜ入居者は家賃保証会社の更新料を知らないのか?
賃貸借契約の更新料のことは知っているのに、なぜ入居者は保証契約の更新料のことを知らないのでしょうか?
それは大きく2つ理由があります。
保証契約の更新料を知らない理由1:入居者が忘れた
入居時に仲介会社から聞いたものの忘れたという人は意外に多いです。
賃貸借契約は不動産屋から直接聞くので印象に残るのですが、保証会社とは入居時に本人確認の電話で1度話しただけ、ということもよくあります。
契約書の条文は読みませんし、契約書は賃貸借契約と一緒に保管するのが普通なのでまったく印象に残りません。
きちんと契約しているのですが数ヶ月も経てば家賃保証会社と契約している事実を忘れるなんていう人もいます。
保証契約の更新料を知らない理由2:本当に聞いていない
もう1つの大きな理由は仲介会社が入居者に伝えていないということです。
仲介会社仕事してないじゃんと思うでしょうが、実際にあります。
仲介会社の中には部屋を貸したら自分たちの仕事は終わりと本気で思っている人もいます。そういう方は保証契約にサインだけ貰って説明もしないという人もいます。
当然、契約にかかる費用や更新についても説明しませんので入居者がわかるわけがありません。
家賃保証会社の更新料はいくらなのか?
さきほど家賃保証会社の更新料は1万円~100%と書きましたが、これは家賃保証会社によってかなり違います。
同じ会社でもプランによって費用が異なるということがありますので、一概にはいえません。しかし、おおよその金額はわかりますので少し例を挙げます。
更新料1万円の家賃保証会社
- 日本セーフティー
- 全保連
- Casa
更新料が賃料の30%の家賃保証会社
- 日本賃貸保証(JID)
ただし、最低保証料は15,000円ですので、家賃が4万円だとしても12,000円ではなく15,000円を支払う必要があります。
更新料が賃料1ヶ月分の家賃保証会社
- フォーシーズ
ここはやや特殊な契約内容で、更新料は賃料1か月分となっていますが、家賃延滞がなければ大幅に割引して1万円という契約(延滞回数に応じて段階的に割引する契約)です。
そのため、家賃10万円で家賃を遅れ続けると更新料は10万円ですが、家賃延滞がなければ1万円で更新できます。
家賃保証会社の更新料は利益!?
家賃保証会社のビジネスモデルがストックビジネスということもありますが、家賃保証会社の更新料は完全に利益です。
というよりも、家賃滞納があった時点で最初に受け取った保証料では割に合わないのでキャッシュを安定させるために更新料を取っているという意味が大きいです。
ということは、家賃を遅れない人は保証料も更新料も無駄という考え方もできますが、今では誰がいつ家賃を遅れるのかわからない時代です。
部屋を貸す家主の立場からすると家賃滞納リスクがある以上、家賃保証会社は必須といえます。
家賃保証会社との契約を解約にする2つの方法
家賃保証会社との契約は家賃を遅れない人にとっては何のための契約かわかりづらいものです。契約のときに連帯保証人なしで契約できるのはよいのでしょうが、その後には特別必要としないという気持ちもわかります。


はっきり言って無駄です。
そんな貴方に家賃保証会社との契約を解除する方法を教えます。
解約する方法は2つしかありません。
保証契約を解約する方法1:退去する
なんじゃそりゃ、と思うかもしれないですが現実的に考えて解約するにはこれしかありません。
部屋を貸す条件に家賃保証会社との契約とあるものが多く、基本的に解約できません。
そもそも保証契約を結ぶ際に更新料を支払うとわかっているはずなので支払うのが筋です。
支払うという契約を結んでいるのに、支払いとしないということは更新の前に引越しをすればよいのです。
保証契約は1年毎の更新ですが、更新の前に引越しが終われば支払う必要はありません。
なお、2年に1度は賃貸借契約の更新があります。つまり、保証契約の2度目の更新があります。このタイミングで引っ越すのはあります。2年に1度賃貸借契約の更新料、保証契約の更新料、火災保険の再加入などがかかることを考えると2年住んで引っ越すというのは現実的な方法です。


2年に1度引っ越すという方法はgajomaruさんの家賃保証会社の更新料を無視せず、合法的に払わない方法が詳しいです。
保証契約を解約する方法2:家主と交渉する
これは裏技です。
家賃保証会社との契約は賃貸借契約の条件ということもありますが、最終決定は家主(または管理会社)がしています。そのため、家主が良いといえばそれは解約にしてもよいのです。
ですが、そもそも家賃滞納リスクを回避するために家賃保証会社を入れているわけなので、家賃保証会社との契約を解約にするというのであればそれなりの信頼関係が必要です。
敷金を積む、連帯保証人を付けるなどの対処が必要だということは覚えておいてください。
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